国松長官狙撃事件についての見方
砂防会館記者会見
苫米地英人
まず私の見方は以下の通りです。
1.元巡査長の小杉君が実際に撃っているというのは、間違いがないでしょう。一部報道では、逮捕後に彼が「自分が撃った」と再度供述しているとされていますが、私は、彼は一貫して撃ったといい続けているのだとみています。警視庁公安部は彼の供述の特定の部分だけを特定の時期にマスコミに報道させることで、彼の供述が不安定で信頼性が乏しいという印象をあたえるように仕向けている、と私はみています。勿論、彼の証言のディテールに関しては、記憶がはっきりしなかったり、また、彼がなんらかの理由で真実を話していないのではないかとみられる部分もあります。 しかし、私が話したなかで、彼が実際に撃ったという部分のディテールはかなり詳細なものです。何回色々な状況で話しても、同じようなディテールを語りました。私は少なくとも、彼が撃ったことだけは間違いないと考えています。
2.早川元幹部、岐部元幹部の名前は、小杉君が逃走ルートでの案内人として列挙していますが、これについては細かい記憶の確認はできていないので、疑問は残っています。このことについては今回初めて言及しますが、当時、取調官から早川や岐部の名前を何度も聞かされたことに影響を受けて、彼自身が二人の名前を口に出してしまったところ、それが一人歩きしたこともあるといったことを、小杉君が話していたこともあります。ただ、二人の名前を彼自身が、その後、何度か話しています。
3.井上元幹部については、下見や、拳銃を車内で一度受け取ったときの出来事、また当日の行動についても、再三記憶の確認を行いましたが、井上元幹部の存在は、具体的かつ詳細な話が小杉君の口から出ております。これが全て、記憶違いであったり、嘘であったりとはやはり思えません。また、井上元幹部の当日のアリバイについて私は疑念を持っています。但し、小杉君が嘘をついている場合は、井上元幹部について語っているエピソードが、実は別の人間についてのエピソードである可能性は否定できません。
4.これも、今回初めて明らかにすることですが、小杉君の証言の鍵は、元正悟師の女性幹部(教団名サクラー)であると考えています。96年の当時から小杉君は、サクラーに特別な感情を抱いていると発言をしていました。 小杉君がサクラーを慕って入信し、修行を続けていたことは、教団について詳しい人はよく知っていることです。また、小杉君との面談中にも、小杉君があきらかにその時点でも恋愛感情を抱いているといえるものと感じてきました。もしも、小杉君がなんらかの嘘をついているならば、サクラーの存在については見逃すことができないのではないでしょうか。
5.拳銃は、実際に96年8月頃に、公にされていない川ざらいで出ているのではないかという疑問があります。 これについては私も疑いは持っていますが、あくまでも疑いということです。 小杉君自身が捜査員から「8月の秘密で行った川ざらいで、拳銃が実は出てきていた」と聞いたと言っていたのは間違いありません。 しかし、その内容の真偽は私にはわかりません。
警視庁も、小杉君が、オウム事件当時現役の警察官で、95年からは公安担当であったということから、色々と大変だったと思います。私と警視庁公安部とは、お互い、すれ違いと誤解が色々ありました。警視庁や当時の警察の担当者達に不快感を与えたことは、私も謝りたいと思います。ただ、私は当時の警視庁公安部のやっていた小杉君の取調べなどが妥当であったとは今も考えておりません。今回の公安部の捜査は、スプリング8等の物証に基づく捜査を行うなど、前回よりは進展はしたようです。但し今回も、どちらかというと、絵図を先に書いて容疑者を当てはめて行く構図の中での捜査だったとみられます。このやりかたでは、このような事件を解決することは、素人ながらなかなか難しいのではないかなと思います。
一方、検察は、小杉君とは警察のような複雑な関係もないのですから、是非、国民の前に、長官狙撃事件の全貌を詳らかにしていただきたいと思っています。もちろん、私の50時間以上にわたる小杉君のカウンセリングのビデオテープは、検察に任意で提出することもやぶさかではありません。オウムの闇はいまでもその全容が解明されておらず、極めて深いものがあります。オウム事件を解決せずに、日本の再建はないとさえも言えると思っています。松尾検事総長には、是非、徹底した事件の捜査をお願いしたいと思っています。もしも、起訴できなかったとしても、時効まで、検察には、懸命に捜査をして頂きたいと思います。できる限りの協力をいたします。もちろん、いずれは起訴し裁判の過程にのせて、国民の前に事件の詳細を公にしていただけるものと信じております。
ところで、江川さんの週刊新潮での記事や、滝本さんのホームページでの発言など、私にまったく取材のないままの、憶測で書かれた内容がいまだに出ています。実際、この七年間、私は色々な目に遭い、また、いろいろなことを書かれてきました。皆さんの中には、勿論そういう方はいらっしゃらないと思いますが、まず、私に直接の取材をし、事実関係の確認をしてから記事にされるようにお願いいたします。
また、7年間に渡って、どこの組織かはわかりませんが、組織的に年数回は、必ず嫌がらせをされました。たとえば、大口の契約が成り立つ直前で、その顧客の直通番号に、「苫米地英人はオウムだ」などといった虚偽の電話が入ることが再三あり、実際に多くの契約を失うなど、かなりの痛手をこうむりました。 今後は、こういう暇なことに時間をかけるなら、事件の捜査を早く進めてもらいたいものです。
更に、国会議員の皆さんに対して、申し上げたいことがあります。
繰り返しになりますが、オウムの闇を徹底的に明らかにしていかないことには、日本の21世紀はないといっても過言ではないでしょう。今後、国民の前で、司法の過程はもちろん、全てを明らかにしていくべきだと思います。国会に喚問していただければ、できる限りの情報を提供いたします。
最後に、小杉君、
事実の解明は別にして、小杉君とはずっと友人であると思ってきています。私は、死ぬまであなたの味方でいるつもりなので、是非、私に連絡してください。そして、私に小杉君が連絡をくれるようにメディアの皆さんも是非、お伝えください。
苫米地英人
2004年7月28日